天敵通信
2002年11月発行/第8号/通算第87号
アリスタ ライフサイエンス 株式会社 アグロフロンティア部

☆ナス、キュウリにナチュポール!☆
トマトもさることながら、ナスでのナチュポール導入が急増しています。関東地方でも春の導入を目指し準備が進んでいます。まだ、ナスでのマルハナバチ導入を思案中の方は是非お気軽にお問い合わせください。
また、キュウリでもマルハナバチの導入がブームになりつつあります。特に栽培初期の花流れ、尻こけ(先細り)の防止に効果があり、収量の増加と秀品率の上昇が見込めます。樹勢が強い傾向にある品種には、是非マルハナバチ導入をご検討ください。
(マルハナバチ担当 :光畑)

☆総合防除は総合的思考力☆
 昨年6月からアリスタでナチュポール・天敵生物・微生物農薬(BT剤を含む)の南九州で技術の普及推進の橋渡しをしています。この新しい資材が防除技術体系の中で確固たる位置を得られるように、皆様の力を借りて努力しますので、ご協力と支援をお願いします。
環境に優しい、安全・安心な農業生産については生産者だけでなく、消費者にとっても大きな関心事で、昨今の食品偽装事件もあり、食品の安全性への関心は非常に高まっています。生産の現場ではどのような取組みがなされているのか、鹿児島県の茶生産者を紹介します。
 Iさんは伊集院町で茶工場、直販店を持つ生産者です。これまで、Iさんの茶園で一番やっかいなのはハダニでした。直販店も経営しているため消費者との対話があり、常に、健康食品としてのお茶を安心・安全に提供するように心がけ、防除回数を減らす努力をしきましたが、なかなか巧く行かなかったそうです。その様な時にコカクモンハマキ顆粒病ウイルスの実用化、それに伴いコカクモンハマキ顆粒病ウイルスとケナガカブリダニの保護・利用防除(IPM)が確立し示されたので、早速、IPMの取組みを始めたそうです。生産者は特徴を良く理解していても、これまでの化学農薬の効果と比較して不安になり、農薬を散布してIPM体系が崩れる事例もあり、地域により実施率に変動があるようです。Iさんの場合はクワシロカイガラムシの耕種的防除も考慮して、中切り・深刈り等の栽培管理体系も見直す等したところ、5年目頃からダニが見られなり、クワシロは見られるが被害の発生も見られない等、今では自園とこの工場加工の生産者は全員このIPM体系を実施しています。このグループの茶園にはトンボが飛び、早朝には朝日に輝く蜘蛛の巣美しい景観が見られ、バランスの良い生態系が復活しているようです。 I氏は消費者と向き合って、より安全・安心なお茶を届けるために、茶樹の生理・生態、病害虫の生理・生態を理解し、確かな観察に裏打ちされた判断で、生産の喜びを消費者と分かち合っているように見受けられます。
(南九州地域顧問:深町)

☆適用拡大のお知らせ I☆
今回スパイデックスがシクラメン(ハダニ類)、メロン(ハダニ類)、バラ(ハダニ類)に適用拡大となりました。使用量は1本/10aです。
海外では花卉での天敵利用はあたりまえ。やっと日本でも適用が広がりバラとシクラメンでご使用いただけるようになりました。バラでは軽く一握りをティッシュに包み、枝の間に置いてご使用ください。株と株が接している方がスパイデックスが移動しやすいので高い効果が得られます。

☆適用拡大のお知らせ II☆
ククメリスの適用がシクラメン(アザミウマ類)に拡大されました。使用方法は株元に一振り(50〜100頭)のククメリス製剤を振り掛けるだけ。長期間アザミウマ類を抑制します。

☆タイリクの効果?☆
タイリクをお使いいただいている皆様の声で『お父さんより良く働く』という声を耳にします。全国のお父様方、お使いいただく際にはくれぐれも奥様には見つからないようにこっそりとお使いください。奥様から『お父さんが良く働く』との高い評価を得られること間違いなし。

☆タイリクブレーク中☆
おかげさまで大好評のタイリクですが、引き続き品薄な状態が続いております。ご注文はお早めにお願い致します。

☆売れてますスパイデックス!☆
スパイデックスがイチゴでブレークの予感。特に福岡県と香川県で売れています。この機会に一度試してみてはいかがでしょうか?ポイントは年内に放飼して圃場にスパイデックスを定着させること。春先の立ち上がりに差が出ます。既にハダニが見えているときは薬剤を散布した後1〜2本/10aを圃場にばら撒きましょう。早い人だと5分で終わるらしい?私はそんなに早くは撒けませんが…。
詳しい使い方については下記のレポートをご参照ください。
(天敵担当:鎌田)

☆熟練度別スパイデックスの使い方☆
11月に入りまして一段と冷え込むようになりました。いちご農家ではビニール被覆も終了し、そろそろミツバチ搬入の頃かと推察致します。病害虫対策も開花前までに徹底して防除するのが基本とされています。しかし敵もさるものでそう簡単に根絶されないのが実情です。
そこで、もっとも発生の多いハダニ類の防除対策に焦点をあてて天敵を利用した防除法について 今回は特に最初の放飼タイミングについてご紹介致します。
先ずハダニに使用する天敵昆虫は「スパイデックス」(チリカブリダニ)です。商品はチリカブリダニ成虫が500mlボトルのなかに約2,000頭入っています。これをいちごの葉上に放飼する(振り撒いておく)だけでハダニの卵から幼虫、成虫まで食べつくしてくれます。
最も注意する必要があるのは放飼するタイミングです。この放飼タイミングの見極めには幾つかの方法があります。

初心者向け(初めてご使用になられる方はこの方法を試してください)
ア) ビニール被覆直後にハダニの発生有無に拘わらず先ずダニ剤(マイトコーネ、コロマイト等)を散布する。その後、10日後頃から天敵を放飼する。

中級者向け
イ) ビニール被覆直後にハダニ発生を見つけたら殺ダニ剤(マイトコーネ等)を散布した10日後以降に10a当り1本(500ml)のスパイデックスを全面に放飼する。
ウ) ビニール被覆直後のハダニ発生がないうちにほ場全面に10a当り1本(500ml)のスパイデックスを全面に放飼する。

上級者向け
エ)開口部、暖房機周辺等の通常もっとも早くハダニの発生する個所をよく観察し、発生を見つけたらすぐに10a当り2本(500ml)のスパイデックスを全面に放飼する。

このようにいろいろな放飼タイミングがありますが結論としていかに発生前〜発生初期に放飼するのが大切であり、また、タイミングを逃さないためにダニ剤を撒いておくなどの工夫がされていることがお解りいただけたでしょうか。
いちご農家の皆様、もう天敵は導入されていますか?また上手に使いこなしておられますでしょうか?少しでも参考になれば幸いです。
(近畿・中四国担当:小野)


EDITED BY Y.SAIKI
Arysta LifeScience Corporation