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巡礼2 梅実る豊かな谷(その1)
品種:南高梅(梅)
所在地:和歌山県みなべ町
栽培農家:山本 茂さん
農家さんのコメント:
うちの梅は太陽をいっぱい浴びているので、実の紅(べに)が濃いのが自慢です。
 江戸時代の初め、現在の田辺市からみなべ町にかけてやせた土地が広がり、農民は困窮した。その打開策として田辺藩主・安藤直次が奨励したのが、梅の栽培だった。さらに梅の栽培地はやせ地として免税し、これを優遇したという。
 今日、和歌山県の梅は全国収穫量の約半分を占める。紀州の梅として知られ、代表的な品種に南高梅や古城梅がある。
 今回訪ねた3つの梅畑はいずれも山に囲まれた谷にあった。山の急斜面を切り開いた畑に先人の苦労が忍ばれた。
 梅の生産量日本一のみなべ町。その8割を占めるのが南高梅だ。JAみなべいなみ本所前には樹齢100年近い母樹が移植されている。
 普及したのは1950年代に最優良品種となってから。大粒で肉厚の実は、梅干や梅酒の原料はもちろん、ジャムなどの加工品にも向く。農家にとっては、豊凶の差が少なく、反収に優れているのも魅力だ。
 「うちの梅は太陽をいっぱい浴びているので、実の紅(べに)が濃いのが自慢です」
 そう語る山本茂さん(54)は、1960年前後に父親が植えたという見事な1本を見せてくれた。紅が濃いのは、基盤整備で日照時間が増えたからだという。
 「4月の寒波で実が凍る被害も経験しましたが、この20年ほどは収量も安定して、まずまずといったところです」と話す。
写真/小松稔 文/杉本政光
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